
「人は落ち着く所に落ち着く」の本当の意味と、就活・転職で悩む方へのメッセージ。
はじめに:就活の日々と思いがけない出会い
就職活動中の
ある日のことでした。
私は先輩に誘われて、
天理教の施設を
訪れることになりました。
先輩は信仰心が厚く、
熱心に通っていたのです。
当時の私には、
そこがどのような場所なのか
詳しくは
分かりませんでしたが、
お寺のような
静かで落ち着いた
雰囲気を感じていました。
先輩が参拝している間、
私は待機所のような部屋で
待つことになりました。
そこで出会ったのが、
施設の奥様でした。
温かいお茶を
出してくださりながら、
奥様は優しく
話しかけてきました。
「見慣れない方ですね。
お仕事は
何をされているんですか」と。
私は正直に答えました。
「今は就職活動中で、
アルバイトをしています」と。
すると奥様は
「それは大変ですね。
就職は決まりそうですか」
と心配そうに尋ねてきました。
「それが難しくて、
もう3ヶ月も
経ってしまいました」
と私が答えると、
奥様は穏やかな表情で
頷いていました。
「人は落ち着く所に落ち着く」心に残る一言の重み
その後、
奥様とはさまざまな話を
しました。
世間話から人生の話まで、
お茶を飲みながらの
和やかな時間が
流れていきました。
その会話の中で、
奥様が何気なく
口にした言葉がありました。
「人はね、
落ち着く所に
ちゃーんと
落ち着きますから、
心配ないですよ」
いろいろな話題が出た中で、
不思議と
この言葉だけが
強く心に残りました。
優しい口調で
語られたその言葉には、
人生の真理を
見通すような深みが
ありました。
しかし当時の私は、
アルバイト生活を
続ける日々の中で、
正直なところ
半信半疑の状態でした。
「人は落ち着く所に落ち着く」
と言われても、
今の不安定な状況では
実感が湧かなかったのです。
就職活動が
うまくいかない焦りと、
将来への不安。
そんな気持ちを
抱えていた私にとって、
その言葉は
慰めのようでもあり、
同時にどこか遠い
理想論のようにも
聞こえました。
果たして
本当に自分が望む場所に
辿り着けるのだろうか。
そんな疑問を抱えながら、
私は日々を
過ごしていました。
妥協しない選択と経済的な苦しさ

就職活動を続ける中で、
実は就職のチャンスじたいは
ありました。
しかし、
それらは自分が本当に
望むものでは
ありませんでした。
「とりあえず就職する」
という選択肢は
目の前にあったのです。
周囲からは
「贅沢を言っている
場合じゃない」
と言われることもありました。
それでも私は、
妥協することを
選びませんでした。
経済的には
非常に苦しい
状況でしたが、
自分が本当に
やりたい仕事、
本当に目指したい
分野でのチャンスを
待つことにしたのです。
アルバイトで
生活費を稼ぎながら、
次のチャンスが
来るまで耐える日々が
続きました。
貯金は減っていき、
周りの友人たちは
次々と
就職を決めていきます。
焦りと不安は
募るばかりでしたが、
それでも
「ここで妥協したら、
きっと後悔する」
という思いが
私を支えていました。
やはり私の希望は
財務の仕事だ。
その思いは日に日に
強くなっていきました。
自己研鑽の日々:中小企業診断士への挑戦
待機期間を
無駄にしないために、
私は自己向上のための
勉強を始めました。
選んだのは
中小企業診断士の
資格取得でした。
財務や経営に関する
幅広い知識を
身につけられるこの資格は、
将来の仕事に
必ず役立つと
確信していました。
時間があれば机に向かい、
テキストを開く日々が
続きました。
アルバイトから
帰ってきた深夜、
疲れた体に鞭打って
勉強する時間は
決して楽なものでは
ありませんでした。
「この努力が
無駄に終わるかも
しれない」
という不安は
常につきまとって
いました。
それでも知識は
決して無駄にはならない。
そう自分に言い聞かせながら、
一つ一つ学びを積み重ねて
いきました。
財務諸表の読み方、
経営分析の手法、
企業診断の実務。
これらの知識は、
いつか必ず
自分の武器になるはずだと
信じていました。
この時期は、
まさに自分との戦いでした。
目に見える成果が
すぐに得られるわけではなく、
周囲からは
「そんな勉強より、
早く就職したほうがいい」
と言われることも
ありました。
それでも私は、
この時間が
将来の自分への
投資だと信じて、
勉強を続けたのです。
突然訪れたチャンス:医療機関での経理財務責任者
チャンスは
突然やってきました。
ある日、
医療機関の
経理財務責任者募集
という求人を
目にしたのです。
募集の背景を聞くと、
それまで担当していたのは
銀行からの派遣者で、
その方の退職に伴う
採用人事とのことでした。
これはまさに
私が待ち望んでいた
ポジションでした。
医療機関という
安定した組織で、
しかも
経理財務の責任者。
長い間夢見ていた
財務の仕事に
携わるチャンスが、
ついに巡ってきたのです。
私は全力で
応募書類を準備しました。
ところが、
書類を作成しようとした
タイミングで、
使っていたパソコンが
故障してしまったのです。
普通なら焦るところですが、
私は手書きで
経歴書を丁寧に作成し、
提出することにしました。
面接を経て、
採用の連絡を
いただいたとき、
私の喜びは
言葉にできないものでした。
後日、
採用担当者か
ら聞いた話では、
採用の決め手の一つが、
その手書きの
経歴書だったそうです。
「丁寧に書かれていて、
人柄が伝わってきた」
と評価して
いただいたのです。
パソコンの故障という
アクシデントが、
思わぬ形で
プラスに働いたのでした。
希望を持ち続けることの大切さ

この経験を通じて、
私は大切なことを学びました。
希望があるうちは、
夢の続きが
見えるということです。
もし私が途中で妥協して、
自分の望まない
職場に就職していたら、
今の自分は
なかったでしょう。
妥協するということは、
妥協した環境に
自分を合わせることを
意味します。
それもまた一つの
人生の選択ですが、
本当に
自分が望む道があるなら、
その道を
目指し続けることに
価値があると私は思います。
経済的な苦しさ、
周囲からのプレッシャー、
将来への不安。
これらすべてを
乗り越えて、
自分の希望する道を
歩み続けることは
簡単ではありません。
しかし、
その苦しい時期が
あったからこそ、
チャンスが来たときに
しっかりと掴むことが
できたのだと思います。
中小企業診断士の勉強で
身につけた知識も、
決して無駄では
ありませんでした。
仕事を始めてから、
あの時学んだことが
何度も役に立ちました。
無駄に見える努力でも、
後になって
必ず意味を持つことが
あるのです。
勇気がわく言葉集
はこちらです
「人は落ち着く所に落ち着く」の真意
あの日、
天理教の施設で
奥様から聞いた
「人は落ち着く所に落ち着く」
という言葉。
その本当の意味を、
私は自分の経験を通じて
理解することができました。
この言葉は、
運任せや偶然を
意味するものでは
ありません。
努力した人には
努力に見合った場所が
用意され、
妥協した人には
妥協に応じた
境遇が訪れる。
そういう人生の法則を
表現した言葉なのだと、
私は解釈しています。
もちろん、
奥様がどのような意味で
その言葉を使われたのか、
直接確認したわけでは
ありません。
その後、
先輩との交流も少なくなり、
あの施設を訪れることも
なくなったため、
奥様からの答えは
聞いていません。
少し疎遠に
なってしまったのは
残念ですが、
あの日の言葉は
確かに私の人生の
指針となりました。
きっと、
もし今奥様に
お会いできたなら、
私の解釈に対して
優しく微笑んで
くださるのではないかと
思います。
「そうですよ、
あなたはちゃんと
落ち着くべき場所に
落ち着きましたね」と。
今、同じ境遇にいる方へのメッセージ
もし今、
あなたが就職活動や
転職活動で悩んでいるなら、
この話が少しでも
参考になれば幸いです。
目の前に妥協案があっても、
本当に
自分が望む道があるなら、
その道を諦めないでください。
待つことは苦しいことです。
経済的な不安、
周囲からのプレッシャー、
自分自身への疑問。
これらすべてと
向き合わなければなりません。
しかし、
その苦しい時間こそが、
あなたを成長させる
期間なのです。
待機期間を
有効に使うことも
大切です。
私の場合は
資格の勉強でしたが、
何か自分のスキルを
向上させる取り組みを
続けることで、
チャンスが来たときに
確実に掴むことができます。
その努力は決して
無駄にはなりません。
そして何より、
希望を持ち続けてください。
希望があるうちは、
夢の続きが見えます。
その夢を追い続けることで、
あなたは必ず
「落ち着くべき場所」
に辿り着くことが
できるはずです。
まとめ:あなたの落ち着く場所はどこですか
「人は落ち着く所に落ち着く」
という言葉は、
努力する人にとっては
希望の言葉であり、
妥協しようとする人に
とっては警告の
言葉でもあります。
あなたがどこに
落ち着くかは、
今この瞬間の
あなたの選択と
努力によって決まるのです。
私の経験が、
今まさに
人生の岐路に立っている
方々の背中を
少しでも押すことが
できれば、
これほど嬉しいことは
ありません。
あなたの
「落ち着くべき場所」は、
あなたの努力の先に
必ず待っています。
諦めずに、
希望を持ち続けてください。
そして努力を続けてください。
そうすれば必ず、
「人は落ち着く所に落ち着く」
という言葉の真の意味を、
あなた自身の体験として
実感できる日が来る
はずです。
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