人生の最期に訪れる「総括の時」とは

人生の最期に訪れる「総括の時」とは

はじめに:死を前にして見える人生の真実


「人は最後に人生の総括をする」

誰から聞いた言葉だったかは思い出せませんが、

この言葉は私の記憶に深く刻まれています。



終末期医療の現場では、多くの医師や看護師が同じような証言をしています。

人生の最期を迎える方々は、それぞれの人生を振り返り、何かを清算するかのように言葉を残していくのだと。

厚生労働省の調査によれば、日本人の約8割が「最期は苦痛なく、穏やかに迎えたい」と願っています。

しかし実際には、同じ病気でも苦しむ人と穏やかに旅立つ人がいます。

この違いはどこから生まれるのでしょうか。

今回は、私が見聞きした実例を通じて、人生の総括と穏やかな最期について深く考えてみたいと思います。


対照的な最期:叔父が教えてくれたこと

人生の最期に訪れる「総括の時」とは

末期がんでも苦しまなかった理由


親戚の叔父は末期がんを患っていました。

父の葬儀の連絡をした際、私は恐る恐る尋ねました。

「おじさんはどうでしたか。きっと苦しんだでしょうね」

予想に反して、叔父の家族からは意外な答えが返ってきました。

「いや、全然苦しまなかったよ。最期まで穏やかだった」

なぜ叔父は苦しまずに旅立てたのか。

後日、叔父をよく知る親戚から話を聞いて、その理由が少しずつ見えてきました。

叔父は生前、地域のボランティア活動に熱心で、困っている人がいれば手を差し伸べる人でした。

家族を大切にし、些細なことでも「ありがとう」と感謝を口にする習慣がありました。

決して裕福ではありませんでしたが、人との繋がりを何よりも大切にしていたのです。

終末期医療に携わる医師の多くが指摘するのは、「人間関係が良好で、感謝の気持ちを持って生きてきた人は、

比較的穏やかな最期を迎える傾向がある」ということです。

もちろん医学的な要因も大きいですが、精神的な安らぎが身体的な苦痛を和らげることは
多くの臨床現場で観察されています。


心残りが生む苦しみ


一方で、別の知人は同じような病気でも、最期まで苦しみ続けました。


周囲の話を総合すると、その方は仕事一筋で家族との時間を犠牲にし、人間関係でも多くの確執を残したままだったといいます。

「あの時、ああしておけば良かった」

「あの人に謝っておくべきだった」

こうした後悔の念が、身体的な苦痛に精神的な苦しみを上乗せしてしまうのかもしれません。


著名人の闘病が教えてくれる「総括の姿」

著名人の闘病が教えてくれる「総括の姿」

過去と向き合う勇気


とんねるずのメンバーが食道がんから喉頭がんを併発し、闘病生活を公表しました。

注目すべきは、抗がん剤治療を拒否してでも「もう一度ファンの前に立ちたい」という強い意志を示したことです。

さらに、元女優の奥様が離婚後、結婚生活時代の病床の彼の自分勝手な振る舞いについて報道されました。

彼は「人生の総括」をしていると私は感じました。

病気と向き合う中で、人は本当に大切なものが何だったのかに気づきます。

名声や地位ではなく、支えてくれた人々への感謝、そして自分の生き様への正直な反省。

これらを言葉にすることで、心の重荷を降ろそうとしているのではないでしょうか。


お金で買えない「健康」の価値


「好きやねん」で知られる歌手も食道がんで闘病生活を送りました。

雑誌のインタビューで語った言葉が、今も私の心に残っています。

「お金はある。でも、病気になった部分をお金で買うことはできない」

この言葉には、成功者だからこそ痛感する真実が込められています。

彼は64歳で生涯を閉じましたが、最期まで歌への情熱と、健康の尊さを語り続けました。

日本人の死因第1位はがんで、全体の約27%を占めます。

医療技術が進歩しても、健康を失ってから取り戻すことの難しさは変わりません。

だからこそ、健康なうちに「どう生きるか」を真剣に考える必要があるのです。


穏やかな最期を迎えるための実践的アプローチ

穏やかな最期を迎えるための実践的アプローチ

「ピンピンコロリ」を目指すために


「ピンピンコロリ」──元気に生活していて、ある日突然、苦しむことなく旅立つ。

これは多くの人が理想とする最期の形です。

では、どうすれば穏やかな人生の総括を迎えられるのでしょうか。

終末期医療の専門家や、多くの臨床経験から導き出された共通点があります。


1. 日々の感謝を習慣化する


穏やかな最期を迎える人の多くは、生前から感謝の言葉を口にする習慣がありました。

「ありがとう」は人間関係を円滑にし、自分自身の心も満たしてくれます。

朝起きたとき、食事をするとき、誰かに親切にされたとき。

小さな感謝を積み重ねることで、心に余裕が生まれます。


2. 人間関係の「棚卸し」をする


許せない人、謝りたい人、感謝を伝えたい人。

そうした相手との関係を放置したまま最期を迎えると、大きな心残りになります。

今すぐ全てを解決する必要はありません。

しかし、「いつか」ではなく「今日から」少しずつ、心の整理を始めることが大切です。

手紙を書く、電話をかける、直接会って話す。

方法は何でも構いません。


3. 「自分らしさ」を大切にする


他人の期待や社会の常識に縛られすぎて、本当の自分を見失っていませんか。

人生の終わりに後悔するのは「やったこと」よりも「やらなかったこと」だと、多くの研究が示しています。

自分が本当にやりたいこと、大切にしたい価値観を見つめ直し、少しずつでも実践していく。

それが後悔のない人生への第一歩です。


4. 健康への投資を惜しまない


バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、定期的な健診。

これらは「当たり前」のようで、実践し続けるのは簡単ではありません。

しかし、健康を失ってから気づいても遅いのです。

今日の健康習慣が、10年後、20年後の自分への贈り物になります。


因果応報は本当に存在するのか

迷信ではなく、人生の真実


「因果応報」という言葉を、非科学的な迷信だと一蹴する人もいます。

しかし、多くの人が実体験として、この法則の存在を感じています。

心理学の研究では、「利他的な行動をする人ほど、主観的な幸福度が高く、ストレスレベルが低
ことが実証されています。

また、感謝の気持ちを持つ習慣がある人は、免疫機能が向上し、心血管系の健康状態も良好である傾向があります。

つまり、良い行いや前向きな心の持ち方は、直接的に健康状態に影響を与えるのです。

これは単なる精神論ではなく、科学的にも裏付けられた事実です。


最期の「ご褒美」は日々の積み重ね


人生の総括は、最期の瞬間だけで決まるものではありません。

毎日の小さな選択、他者への接し方、自分自身との向き合い方。

これらの積み重ねが、最終的に「穏やかな最期」という形で現れてくるのだと思います。

今日、誰かに親切にする。

今日、感謝の言葉を伝える。

今日、自分の心に正直になる。

そうした小さな実践が、未来の自分への最高のプレゼントになるのです。



参考文書(ウィキペディア)

了凡四訓』とも呼ばれる。
自己の宿命観を乗り越えて、
自分から運命を創造してゆくことを
悟った体験を書き記した書物



おわりに:今日から始める「後悔しない生き方」


人生の最期をどのように迎えるか。

それは誰にもわかりません。

しかし、日々を誠実に、感謝の心を持って、他者を思いやりながら生きることが、最期に訪れる「総括の時」を穏やかなものにしてくれるのではないでしょうか。

「人は最後に人生の総括をする」

この言葉を胸に、後悔のない今日を生きる。

それが、穏やかな最期への確かな一歩となるはずです。

あなたは今日、誰に感謝を伝えますか。

あなたは今日、どんな親切をしますか。

その答えが、あなたの人生の総括を形作っていくのです。





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