
記憶に残る自己啓発プログラム
以前、5泊6日の自己啓発研修に参加した際、深く印象に残ったプログラムがあります。
それは「祈り」をテーマにした、心温まる体験でした。
この自己啓発研修は、日常から離れた場所で行われ、
様々なバックグラウンドを持つ人々が集まっていました。
初日は緊張した面持ちの参加者たちも、日を追うごとに打ち解け、
3日目には自然な会話が生まれるようになっていました。
そんな中で体験したこのプログラムは、
人と人との繋がりの本質を考えさせられるものでした。
グループワークの始まり
参加者は10名程度のグループに分けられました。
各テーブルには、すでに顔見知りとなった仲間たちが座っています。
トレーナーから小さな紙片を渡され、次のような指示がありました。
「グループメンバーを見渡して、受けた良い印象を最大3つまで書いてください。
ペンを使用し、鉛筆は使わないでください」
10名いれば10枚の紙片に、それぞれの名前(各自の前にネームプレートがあります)と印象を書き込みます。
最初は戸惑いもありましたが、
数日間を共に過ごした仲間たちの良いところは、自然と思い浮かんできました。
明るい笑顔、優しい言葉づかい、真剣な眼差し。
一人ひとりの個性が、確かにそこにありました。
トレーナーは十分な時間を取ってくれました。
書き終わると、すべての紙を回収し、名前ごとに分類しました。
「採点でもするのだろうか?」
「評価されるのだろうか?」と
疑問が浮かびましたが、
説明はなく、そのまま次のプログラムへ進みました。
この「間」が、後の感動を大きくする伏線だったのです。
「祈り」についての問いかけ

トレーナーが静かに語り始めました。
「皆さんは、病気やケガで入院している家族や知人に、
『どうか早く治ってください』と合掌したり祈ったりした経験はありませんか?
なぜそうしたのでしょうか」
参加者それぞれが、静かに自分の経験を思い返していました。
私自身も、祖母が入院した時、病室で手を合わせたことを思い出しました。
なぜあの時、祈ったのだろう。
医学的には意味がないかもしれない。
でも、
祈らずにはいられなかった。
しかしトレーナーは答えを求めず、話を続けます。
この問いかけ自体が、私たちに内省を促すものだったのです。
祈りと念の力

目に見えないエネルギー
「祈りや念というものは、思いや気持ち、心配りなど、感情や心の働きを表していると言われています。
しかし思いが強すぎると、怨念・執念・疑念などの負の感情も生まれてしまうようです」
トレーナーの言葉は、淡々としながらも、重みがありました。
「念は普段、私たちの目には見えません。しかし時には強いエネルギーを放ち、目に見える現象として影響を与えることもあります」
「目には見えなくても感じることはできます。
『この空間、なんかいい雰囲気だな』とか、
『嫌な雰囲気だな』と感じた経験はありませんか?」
確かに、店に入った瞬間に感じる
「居心地の良さ」や、
逆に説明できない「居心地の悪さ」を
誰もが経験しているはずです。
それは空気の流れでも温度でもない、何か別のもの。
もしかしたら、それが「念」なのかもしれません。
集団の祈りがもたらすもの
トレーナーは問いかけを続けました。
「もし10人が一斉に、ある人に悪い祈りをしたらどうなるでしょうか。
反対に、10人が一斉に良い祈りをしたらどうなるでしょうか」
「因果応報という言葉を聞いたことがあると思います。
実際に因果応報を感じたり、体験したりしたことはありますか」
室内は静まり返っていました。
誰もが、自分の経験と照らし合わせて考えていたのでしょう。
「ここに来られた皆さんは、それぞれ大なり小なりの悩みを抱えていると思います。
一人で抱え込んでいた悩みも、仲間と共有することで軽くなることがあります。
そして、仲間からの良い念を受け取ることで、前に進む力が湧いてくることもあるのです」
心を照らすロウソクの灯り

仲間からの贈り物
「それでは、先ほど書いていただいた印象のメモをお返しします」
一人ひとりに、束になった紙片が配られました。
私の手元にも、9枚の小さな紙が届きました。
ゆっくりと時間をかけて、仲間たちが書いてくれた印象を読みました。
「いつも笑顔で周りを明るくしてくれる」
「話をよく聞いてくれる」
「前向きな姿勢に励まされる」。
第三者である仲間たちからの温かい言葉に、気持ちが高揚していくのを感じました。
自分では気づかなかった自分の良さ。
普段は意識していなかった自分の行動が、誰かの心に届いていたこと。
それを知ることができたのは、大きな喜びでした。
周りを見渡すと、多くの参加者が目を潤ませていました。
ロウソクに託す祈り
各テーブルに大きなロウソクが1本ずつ置かれ、室内の電気が消されました。
暗闇の中、ロウソクの炎だけが揺れています。
トレーナーの静かな声が響きました。
「これから、グループの仲間に良い祈りを捧げてください。
この研修を卒業し、社会に戻ってからの発展を祈りましょう。
一人ひとりの顔を思い浮かべながら、その人の幸せを願ってください」
静寂の中、私は仲間たちの顔を一人ずつ思い浮かべました。
それぞれが抱えている悩み、目指している目標。
この数日間で知ることができた、
一人ひとりの物語。
心の中で、一人ひとりの幸せを願いました。
ロウソクの炎が揺れています。
その光は小さくても、確かに暗闇を照らしていました。
まるで、私たちの祈りが目に見える形になったかのようでした。
やがて室内に照明が戻り、プログラムは終了しました。
しかし、その余韻は長く心に残りました。
「祈りや念というものは、思いや気持ち、心配りなど、 感情や心の働きを表していると言われています」
近年の心理学研究でも、ポジティブな感情が人間関係に 与える影響が注目されています。
参考:日本心理学会の
文献はこちら
祈りの力を日常に活かす
このプログラムを通じて、私は「祈り」の持つ力を実感しました。
それは決してスピリチュアルな話だけではありません。
人を思う気持ち、相手の幸せを願う心。
それ自体が、人と人を繋ぐ大きな力になるのです。
このプログラムは、様々な場面で応用できるのではないでしょうか。
- 仲間が困難に直面している時、
ただ励ますだけでなく、その人の良いところを言葉にして伝える - サークル活動での団結力を高めたい時、メンバー同士が互いの長所を認め合う機会を作る
- 会社の新人研修やプロジェクトの始動時、チームメンバーの良い印象を共有し合う
人と人との絆を深め、互いに良い念を送り合うこと。
それは、目に見えない大きな力となって、私たちを支えてくれるのかもしれません。
今も心に灯る光
あの日のロウソクの灯りは、今も私の心の中で燃え続けています。
困難な時、それを思い出すと、不思議と前に進む勇気が湧いてきます。
そして、誰かが困っている時は、その人に良い祈りを送るようになりました。
このささやかな体験談が、皆様の人生の発展に少しでもお役に立てれば幸いです。
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