
卒業式といえば、好きな先輩や同級生に「第2ボタンをください」とお願いする光景が定番ですよね。
でも、なぜよりによって”第2ボタン”なのか、その由来や歴史を知っている人は意外と少ないはずです。
この記事では、日本独自のボタン文化がいつ・どこで生まれたのか、その起源から現代の変化までをわかりやすく解説します。
1. 卒業式のボタンとは?日本の独自文化
卒業式のボタン文化とは、学校の卒業式において、生徒が制服(主に学ランやブレザー)のボタンを外し、好意を持つ相手や友人にプレゼントする日本独自の慣習のことです。
特に男子生徒の学ランの「第2ボタン」を女子生徒が求めるというスタイルが広く知られており、卒業式における青春のひとコマとして、映画・ドラマ・小説などでも頻繁に描かれてきました。
この文化は日本国内でほぼ普遍的に認知されていますが、その起源については諸説あり、意外と知られていない歴史的背景が存在します。
2. 第2ボタンの由来・起源はどこから?
第2ボタンの由来として最も広く知られているのは、戦時中の特攻隊員にまつわるエピソードです。
太平洋戦争末期、出撃前の特攻隊員が愛する人や家族に形見として制服のボタンを渡したという逸話が残っています。
このとき、第1ボタンは軍の規定上外せないことが多く、隊員たちは第2ボタンを渡したとされています。
「生きて帰れないかもしれない自分の分身として、心臓に最も近いボタンを贈る」という意味が込められていたとも言われています。
この悲しくも美しいエピソードが戦後の若者文化の中で語り継がれ、やがて”好きな人への想いを伝える象徴”として卒業式のボタン文化へと変化していったと考えられています。
補足:ただし「特攻隊説」はあくまで有力な俗説のひとつであり、文献による確証があるわけではありません。複数の説が混在しているのが現状です。
3. ボタン文化の歴史的背景
卒業式のボタン文化が現在のような形で広まったのは、1960〜70年代の高度経済成長期のことだとされています。
この時代、日本の中学・高校での男子制服として「学ラン(詰め襟の学生服)」が普及し、ボタンが多く並ぶデザインが定着しました。
また同時期、卒業式は単なる学業の節目ではなく、青春の終わりと新たな出発を象徴する「感情的なイベント」として社会的な意味合いを強めていきました。
恋愛感情を素直に言葉で伝えることが難しい日本文化の中で、ボタンという”物”を介して想いを伝える行為が自然に生まれ、広がったと考えられています。
1970年代以降は映画やテレビドラマでもこの場面が描かれるようになり、フィクションと現実が互いに影響し合いながら文化として定着していきました。
「卒業」をテーマにした歌謡曲やJポップの楽曲でも歌詞にボタンが登場するなど、音楽メディアも文化の拡大に大きく貢献しています。
4. なぜ「第2ボタン」なのか?その意味と理由
学ランには通常5〜6個のボタンがついていますが、なぜ第2ボタンが特別視されるのでしょうか。主な理由としては以下の説があります。
① 心臓に最も近いボタン説
学ランの第2ボタンは、ちょうど胸の中心=心臓に最も近い位置にあります。「心臓=心(こころ)」という象徴的な解釈から、「自分の心を渡す」という意味になったという説です。
② 第1ボタンは既に取られている説
第1ボタンはまず親や親友・最も大切な人が受け取るとされているため、好きな相手には次に位置する第2ボタンを渡すという順番が生まれたという説です。
③ 前述の特攻隊員の逸話由来説
戦時中の特攻隊員が第2ボタンを渡したという故事に由来するという説。「命がけの想い」「二度と会えないかもしれない別れ」という切実な感情が込められています。
これらの説は混在しており、どれかひとつが「唯一の正解」というわけではありません。時代とともに解釈が重なり合い、現在の文化として定着したと考えるのが自然です。
第2ボタンの意味や実際のエピソードについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
5. 地域・学校による違い
ボタン文化は全国的に知られていますが、地域や学校によって細かな慣習の違いがあります。
東日本(特に東京・首都圏)では、ブレザー制服が普及していることもあり、学ランの第2ボタンという慣習よりも、「制服の一部(ボタン・ワッペン・ネクタイなど)を交換する」という形に変化している学校も多くみられます。
西日本・地方部では、学ランを採用している学校がまだ多く、伝統的な第2ボタンの慣習がより色濃く残っている傾向があります。
また、女子校や男女別の文化においてはボタンを贈る対象や意味合いが異なることもあり、「親友に渡す」「憧れの先輩からもらう」など、恋愛感情以外の文脈でも行われるケースがあります。
6. 現代のボタン文化の変化
近年、卒業式のボタン文化はさまざまな変化を見せています。
制服のブレザー化・カジュアル化が進む中、学ランを着用する男子生徒自体が減ってきており、「そもそもボタンを贈る機会がない」という声も増えています。
ブレザーにもボタンはありますが、学ランのように列状に並んだ「第〇ボタン」という概念がないため、文化の伝え方自体が変わりつつあります。
SNSの普及によって、卒業式の日には「ボタンもらった!」「ボタン渡せた!」という投稿がトレンドに上がることも。
一方で「ボタン文化を知らない世代」も増えており、Z世代以降では「ボタンよりもインスタのフォローが新しい交換文化」という声もあります。
ジェンダー観の変化も影響しています。
これまでは「女子が男子に頼む」という一方向の慣習でしたが、現代では性別に関係なくボタンを贈り合う形や、LGBTQ+の観点から「誰もが誰にでも渡せる文化」として再解釈されるケースもみられます。
それでも、ボタンにまつわる青春の記憶は多くの人の心に残っており、漫画・アニメ・映画における卒業式シーンでは今も定番として描かれ続けています。
この文化がすぐに消えることはないでしょう。
7. まとめ
「後悔しないために今できること」
- 卒業式のボタン文化は日本独自の慣習で、1960〜70年代に広く定着した
- 第2ボタンの由来は「特攻隊員の形見説」「心臓に最も近いボタン説」など複数の説がある
- 映画・ドラマ・音楽を通じて文化として全国に浸透した
- 地域・学校・制服の種類によって慣習に違いがある
- 現代ではブレザー化やSNS・ジェンダー観の変化を受けて少しずつ変わりつつある
卒業式のボタン文化は、日本人の奥ゆかしさや、言葉ではなく”物”に想いを込める感性から生まれた、世界にも類を見ないユニークな青春文化です。形を変えながらも、その本質にある「大切な人へ想いを伝えたい」という気持ちは、これからも受け継がれていくでしょう。
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